四畳半神話大系は神アニメ!森見登美彦原作小説のアニメ化。《私》は小津のせいで大学生活を謳歌できず何度もやり直していた!?
2017/12/11
作家・森見登美彦の長編小説である四畳半神話大系は2010年にアニメ化されており、その表現方法の面白さからか見る価値のあるアニメとして紹介されることが多いです。
主人公の名前が明かされておらず、終始『私』とだけで主人公は描かれているところも面白いところです。
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四畳半神話大系の概要
大学一回生だった『私』は薔薇色の大学生活を送るために様々なサークルに入ったり人間関係を築いていきますが、何をどうやっても納得した生活を送ることができませんでした。
この作品の特徴は大学生活を何度も繰り返すということなのですが、別に留年したりして何年も大学生活を伸ばしているとかではなく、大学生活をそのままやり直すのです。
最終話を除いて一話が終わったとき大学の時計が巻き戻りエンディングに入るのですが、次の話になると第一話と同じよう入学初日に戻ってしまい、その度違うサークルに入ったり違う人間関係を築いていきます。
恋ノ邪魔者。
テニスサークル『キューピット』。
映画サークル『みそぎ』。
サイクリング同好会『ソレイユ』。
英会話サークル『ジョイングリッシュ』。
読書サークル『SEA』。
ソフトボールサークル『ほんわか』。
バードマンクラブ。
ヒーローショー同好会。
秘密機関『福猫飯店』。
上記の様なサークルや組織に入り、様々な大学生活を送りますがそのどれもに『私』は納得ができません。
その度に時間を巻き戻し記憶もなくし大学生活を知らず知らずのうちにやり直します。
そして『私』のどの大学生活にも登場するのが小津という人間。
小津はなぜかどの世界でも『私』に近づき関係性を築いていきます。
例えば
モテない『私』を誘い恋の邪魔者を二人で行ったり、
映画サークルの傍若無人な先輩の人権侵害暴露映画を共同作成したり、
自身が崇拝している師匠に無理やり弟子入りさせたり、
悪どいことで有名な秘密組織に入れられたり、
そして小津は『私』に波乱の展開を持ってきます。
登場人物が少ないこの作品の人物紹介をしていきましょう。
四畳半神話大系に出てくる個性的な人々
『私』
主人公である『私』は大学一回生で何らかのサークル等に入ります。
その中で『私』は薔薇色の大学生活を目指しますがしかしほぼ全てで彼は満足しません。
『私』は何度も何度も大学生活をやり直し、薔薇色の大学生活を目指しますがその全てを小津が邪魔します。
しかし最終二話で彼は小津と出会うことなく『四畳半主義者』という引きこもりになってしまうのですが、そこで他人目線から見た小津を知るのでした。
小津
全ての『私』に付きまとう謎の青年。
悪魔のような風貌をしているがそれは『私』の主観視点が混在しているためである。
健康食品販売会社『ほんわか』の創業者の娘と付き合っており、彼女に見せたいものがあるからといって壮大でロマンチックな計画を企てたりしている。
明石さん
『私』の後輩の女子大生でヒロイン。
どの世界の『私』とも何かしらの形で出逢うのですが、その関係性は常に微妙な距離感があり、『私』がなにかしらの理由で拾うことになる彼女の所有物のモチグマンと呼ばれる五つ一組のぬいぐるみキーホルダーが彼女との関係の可能性を握っています。
樋口師匠
『私』、小津、明石さんが弟子入りすることになる大学八回生。
常に着物姿であり、夏に涼む場所をいくつも知っており、誰とでも仲良くなれる素質を持っている。
様々な形で『私』の大学生活に関与してくる。
初登場時は自身を神様と偽っていた。
羽貫さん
小津が通う歯医者の歯科助手。
樋口と城ヶ崎(後述)とは同級生であったが現在は二人を差し置いて卒業している。
彼らとは微妙な関係性にあるが、本命は樋口の方だと思われる。
城ヶ崎先輩
水も滴る良い男であるが、極度の潔癖症のため生身の女性を付き合うことができない。
家に香織さんと呼ばれるいわゆる人形が置いてあり、彼女を本気で愛しているという。
『私』の繰り返す大学生活で『サークルの先輩』『恋の師匠』などと関係性を変え度々出てくる。
樋口師匠とは何年も前から因縁があるらしい。
ちなみに羽貫さんいわく、『城ヶ崎くんには樋口くんしか友達いないから』と。
占いおばば
全ての『私』に助言を下す謎の占い師。
『私』を褒めちぎったあと
『好機は目の前にぶら下がっております』
という決まり文句を言うと前話で請求した料金に千円上乗せしてしてくる。
おばばの言う好機とはどこかで拾ったモチグマンのキーホルダーのことを指していたりします。
ただならぬ妖気を無料で垂れ流している。
『私』はいつも老婆の慧眼に脱帽する。
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四畳半神話大系の大まかなストーリー
最終話二話のみ二話編成の話であり、物語上重要なストーリーとなっています。
最終話で『私』はどのサークルにも薔薇色の大学生活を夢見ることができないと悟り、孤独の四畳半アパートの自室に引きこもるという『四畳半主義者』の道を選びます。
そんなある日、『私』はどこまでも四畳半の自分の部屋が複製されてそれがいくつも繋がれている『四畳半世界』に閉じ込められてしまいます。
ドアを開ければ四畳半があり、窓を向けると四畳半があり、上にも下にも四畳半がある。
無限に続く四畳半世界に閉じ込められた『私』でしたが質素ではあるが食料の備蓄があったためとりあえずは生き抜くことができることを知ります。
無限に続く四畳半世界で生きることを決意しますが、すぐに人恋しくなりその奇妙な世界からの脱出を試みるようになります。
どこまで行っても四畳半な世界ですが、『私』はそこで本当に大事なものを見つけるのでした。